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診断の意味合い: 子どもと大人との違い

[2024.04.02]

発達障害の特性が強さは生まれつきのものであり、一生一緒に生きて行くこととなる。
特性には良い面も困る面もあるが、強い特性があることは良いとか悪いといった問題ではない。
困り具合は違うが、生まれ持った自分の顔形や身長と一緒に生きて行くことと同じようなことだと思う。


子どもが大きくなるにつれ、自分の特性を認識した上で、特性を前提として、どのように行動することが良いのかを考えられるようになってもらいたい。
自分の特性とうまくお付き合いできているひとは、もれなく、自分自身を客観視できており、どのようにすればトラブルが減るかを学習し、実践できている。
特性の強さがなくなる訳ではないが、目立たなくなる。

しかしながら、小学校高学年くらいまでは自分自身を客観的に見ることが難しい。
お母さん、お父さん、園や学校の先生など、関わる大人の言動に大きな影響を受けて、日々を過ごしている。
それゆえ、お母さんやお父さん、先生に、子どもの特性を正しく理解をしてもらいたい。
そのために、診断をしてお伝えする。
特性を理解した上で、どうすれば、この子なりによりできるようになるかを考えて、実践して欲しい。
そうしたことが適切な配慮やサポートである。

子どもの場合、まず変わるべきは、お母さん、お父さんや関わる大人である。
子どもの行動の背景を正しく理解できていればこそ、正しい対応ができる。

そうは言っても、お母さんやお父さんは「自分の子どもが発達障害」とは考えたくない。

おばあちゃん、おじいちゃん、ママ友などは「気にしすぎ」、「成長には個人差があるから、そのうち追いつく」、「心配することはない」、「個性だ」などと言ってくれる。根拠はない。

また、お母さんとお父さんとで子どもの評価などが異なることも多い。
一般的に、お母さんは、子どもと接する時間が長く、他の子どもとの発達の違いに気付きやすい。
お父さんは、お母さんと比べ、接する時間も短く、他の子どもの様子を知らないためか、自分の子どもの発達について楽観的なことが多い。

「気にしすぎ」、「そのうち追いつく」、「自分の子どもを障害者にしたいのか」などとお父さんが言う場合、お母さんも「発達障害」とは考えたくないこともあり、「もう少し様子を見てみよう」という結論に落ち着くことが多い。


残念ながら、お母さんの「何か違う」という評価が正しいことが多い。
様子を見ていて、子どもの問題が解決したというケースは知らない。解決したように思えても、形を変えて現れてくる。
根本の原因は変わらない。
様子見ていた期間の「利息」が付き、深刻化することがほとんどだ。
どのようなことでも同じだが、深刻化する前に対応することが大切だ。

お母さんやお父さんが自分の子どもの発達に不安を感じている場合、自分たちの不安を払拭するため、「何としても、他の子どもたちと同じように、自分の子どもにもやらせたい」という気持ちが強いことが多い。
自分自身や他の子どもたちを基準として、「やればできるはず」、「努力が足りない」、「何度、言わせるのか」、「なぜできないのか」と注意したり、叱ったりして、日々、他の子どもと同じようにやらせようとする。

子どもは頑張るものの、他の子どもたちと同じようにはできず、次第に力が尽きてしまい、しばしば、不登校になったり、イライラが募るため、暴力や暴言が増えたり、万引きなどの非行行為を行ったりする。


知的レベルの高い子どもの中には、難しいことはできるにも関わらず、持ち物の管理など、誰もが平気にできるようなことができないことがあり、ひどく叱責され、自傷行為をしたり、不登校になったりすることもある。

子どもの場合、お母さんやお父さん、先生が特性を正しく理解をすることが大切であり、そのための診断であると考える。

一方、大人の場合は、診断の持つ意味合いが子どもと異なるように思う。
診断を受けることにより、大人は「自分の努力不足ではなかった」などとホッとされることが多いようだ。
診断を伝えることにより、関わるひとたちに自分の特性を理解してもらい、生きづらさの軽減につなげてもらいたい。
しかし、それ以上に、大人の場合には、自分自身の特性を客観視するためのきっかけにすることが大切と考える。


例えば、自閉スペクトラム症のひとには、他のひととの適切な距離感が分かりにくいことがある。
距離が近すぎて、いわゆる「グイグイ」いってしまう。
それでも、そうした自分を客観視でき、距離の近さを認識していれば、「グイグイ」加減を軽減できるかもしれない。
ただ、どれくらいが適切な「グイグイ」かは分かりにくい。音痴が音程のズレに気づかないことと同じである。
あるひとが「グイグイ行くことがあるので、不快ならば、全く気を使うことなく遠慮せずに言って欲しいと伝えている」と話していた。
自分自身の客観視があってこその素晴らしい対応である。対人トラブルも減る。

運を天に任せて経過を見ているよりも、どのような問題でも深刻化する前に早めに対応することが望ましい。
いろいろなひとがいろいろなことを言うが、誰も責任は取ってくれない。

持って生まれた能力を最大限に発揮し、お子さんらしく生きられるように、お困りごとに対し、一緒に対応を考えていきましょう。

 

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