応用行動分析学(Applied Behavior Analysis, ABA)は、自閉スペクトラム症などの療育で大きな成果を上げており、高い科学的根拠を持つ理論や技法です。欧米では療育の第一選択とされています。

アメリカなどの科学研究費の額と日本とは全く比べものになりません。
科学的な知見が集積しています。

「科学的」とは「再現性」があると同義です。
「科学的根拠がある」とは「確率が高い」と同義です。

発達障害の分野では、専門家であったとしても、自分の経験や思いに基づき、いろいろなひとが様々なことを言います。
科学的根拠にもレベルがあります（科学的根拠の信頼性の度合）。

一般的に、ひとは自分の聞きたいことのみ聞いて、都合よく解釈しまう傾向にあります。
その話に高い科学的根拠があるのでしょうか。
やってみて、目標通りの成果が出ているのでしょうか。
本当に子どものことを考えるならば、うまくいく確率の高い（高い科学的根拠がある）やり方を始めることが大切と考えます。

参考までに、いくつかのアメリカのサイトを紹介します。

アメリカ疾病予防管理センター（Centers for Disease Control and Prevention, CDC）のサイトには次のように記載されています。（https://www.cdc.gov/ncbddd/autism/treatment.html）

「行動的アプローチは、行動の前後に起きていることを理解することにより、行動を変えることに焦点を当てる。自閉スペクトラム症の症状の治療に対して最も多くの科学的根拠を持っている。教育関係者や医療関係者の間で広く受け入れられ、多くの学校やクリニックで採用されている。自閉スペクトラム症の人たちに対する重要な行動療法は、応用行動分析学（ABA）と呼ばれるものである。ABAは、さまざまなスキルを向上させるために、望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らす。進歩の具合は継続的に評価される。」

“Behavioral approaches focus on changing behaviors by understanding what happens before and after the behavior. Behavioral approaches have the most evidence for treating symptoms of ASD. They have become widely accepted among educators and healthcare professionals and are used in many schools and treatment clinics. A notable behavioral treatment for people with ASD is called Applied Behavior Analysis (ABA). ABA encourages desired behaviors and discourages undesired behaviors to improve a variety of skills. Progress is tracked and measured.”

アメリカ小児科学会 (American Academy of Pediatrics)のClinical Reportにおいても、
応用行動分析学（ABA）は科学的根拠があるとされています。（https://publications.aap.org/pediatrics/article/145/1/e20193447/36917/Identification-Evaluation-and-Management-of）

『科学的根拠に基づく治療モデルの大部分は、ABAの原則に基づいている。ABAは次のように定義されている。「学習理論の原則に基づく体系的な介入プロセスである。」自閉スペクトラム症の症状へ対応するABAの手法は、コミュケーションスやその他のスキル獲得のため、計画的に強化することにより、行動が変化しうることを示している。』

“Most evidence-based treatment models are based on principles of ABA. ABA has been defined as “the process of systematically applying interventions based upon the principles of learning theory to improve socially significant behaviors to a meaningful degree, and to demonstrate that the interventions employed are responsible for the improvement in behavior.” The use of ABA methods to treat symptoms of ASD suggests that behaviors exhibited can be altered by programmatically reinforcing skills related to communication and other skill acquisition.”