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「話が通じない!!」について  (中枢性統合能力の話)

[2025.12.02]

「話が通じない」や「話が噛み合わない」と感じることがあると思います。
その理由はいろいろあります。

「考え方ややり方の違い」、「価値観の違い」、「ある事柄に対する認識の違い」、また「わかってはいるものの認めたくない」といった背景があることもあります。

また、抽象的な表現、比喩や暗黙の了解が解りにくい、言葉を文字通りに理解してしまうなどの理由があることもあります。

それ以外にもいろいろな理由があります。

話している時、こちらの意図が通じず、「そういうことを言っているのではない」と感じたりする事はありませんか。
例えば、「嘘つきは泥棒の始まり」と話すと、「泥棒」という言葉にこだわり、「嘘はついたが泥棒はしていない」や「鍵がかかっているから泥棒などできない」などと屁理屈のように言い返したりすることです。

「昨日も言ったでしょ」と言うと、「昨日?何時何分?」などと「昨日」にとらわれ、真顔で聞いてきたりします。

また、「なぜそのように、理解したり解釈したりするのか」と感じたりする事はありませんか。
例えば、お友達とのトラブルにおいて、「『自分は汚い』と言われた」と話しているが、相手の子どもに聞いてみると「給食の前に手を洗わないと汚いよ」と一般的な話をしただけで、全体の文脈とは関係なく、一部の言葉だけを捉え、解釈していたりします。


こうした背景には、全体の文脈や状況を理解することなく、一部分だけに注目し、そこにこだわってしまったり、一部分を統合してまとまりとして意味を持つ全体として認識する能力が低かったりすることがあります。

こうした能力を「中枢性統合能力」といいます。


自閉スペクトラム症の子どもはこうした能力が低いことがあります。
程度の差はあります。

「空気が読めない」や「相手の気持ちがわかりにくい」も「中枢性統合能力」の低さが一因と考えられます。

「木を見て、森を見ず」ということです。

 

 

 

 

 


上記の絵を見て、どのように考えるでしょうか。

多くの方は、「クルマ同士の衝突事故」と考えるでしょう。

自閉スペクトラム症の子どもに、「どんな絵?」と聞くと、
「新幹線」、「壊れた白いクルマがある」、「二人のひとが話をしている」、「クルマがたくさん並んでいる」、「田んぼがある」、「山がある」などと答えることがあります。

一部分にばかり目が行き、絵全体を俯瞰しないためです。


伝えたいことを分かりやすくするために、例え話をしても、単語やその一つ一つに反応し、「それは当てはまらない」などといった反応したり、定義などにこだわったりするため、話が進まないばかりではなく、伝えたい内容や状況といった本質が全く理解されないことがあります。本人は、「関係のない意味のない話」や「自分に当てはまらない話」というように考えます。

また、文脈を考えることなく、一部の表現や言葉にひっかり、文字通り理解してしまうため、意図や状況とは関係なく、「こう言われた」と思い込んでしまうこともあります。


こうしたことも、自閉スペクトラム症の特性の一つです。先天的な脳の働き方です。
知的レベルとは直接的な関係はありません。
大人でもしばしば見られます。

イライラするかもしれませんが、「なぜ分からないの」、「屁理屈ばかり言う」、「そういうことを言っているのではない」などと叱っても効果はありません。


そもそも、ひとは、自分に都合良く解釈したり、聞きたいことしか聞かないものでもあり、なかなか難しいですが、
「抽象的な表現」、「比喩」、「暗黙の了解を前提とした話」や「長い文章」は避け、
「具体的に」「短く」伝えることが大切となります。

 

 

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